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バナナペーパーとは?質感の特徴・メリット・デメリット・活用例を解説

「バナナペーパー」という言葉を聞いて、どんな紙を想像するでしょうか。名前のインパクトから「本当に使えるの?」と思う方も多いかもしれません。

しかしバナナペーパーは、環境問題と途上国の貧困問題というふたつの社会課題を同時に解決する、SDGs時代にふさわしいエシカルな素材です。名刺や封筒など、ビジネスシーンでの活用も進んでいます。

この記事では、バナナペーパーの概要から質感・用途・メリット・デメリット・歴史・製造工程まで、詳しく解説します。

バナナペーパーとはどんな紙?

バナナペーパーとは、アフリカのザンビア共和国で栽培されたオーガニックバナナの茎(仮茎)から取り出した繊維に、古紙やFSC®森林認証パルプを混ぜ合わせてつくられた紙です。

製造には日本の伝統技術「越前和紙」の抄造(しょうぞう)技術が用いられており、国際的なプロジェクトから生まれた素材でもあります。

バナナという植物について、少し豆知識をお伝えします。バナナは木のように見えますが、実は1年で再生する「多年生草本」です。

1本の茎から1度だけ実が取れたら、その茎は切り落とされ廃棄されます。根だけを残せば、1年以内に新しい茎と実が育ちます。

紙原料(パルプ材)として植林されるユーカリでも、伐採までに約6〜10年を要します。一方で、1年で再生するバナナと比べると、その差は歴然です。

バナナペーパーは、これまで捨てるしかなかった茎を有効活用することから始まりました。

商品名は「ワンプラネット・ペーパー®」といい、日本初のフェアトレード認証紙として認定されています。SDGsの17目標すべてにつながっているとされ、名刺・封筒・証書・ノベルティなど幅広いビジネスツールに採用されています。

2020年時点では世界20か国で流通しており、現在はさらに拡大しています。

フェアトレード・WFTO認証とは

「フェアトレード」とは、発展途上国をはじめとする経済的立場の弱い生産者から、適正な価格で継続的に原料や製品を購入することで、現地経済の自立と改善を目指す国際貿易の取り組みです。

「慈善活動」ではなく「対等なビジネス」を通じた支援という点が、フェアトレードの本質です。

バナナペーパーが取得しているWFTO認証とは、世界フェアトレード機関(World Fair Trade Organization)が定める第三者認証制度です。

社会・環境・経済・ガバナンスに関する10の指針と、約100の基準を満たした製品にのみ与えられる厳格なものです。

日本の製紙産業でWFTO認証を取得したのは、バナナペーパー(ワンプラネット・ペーパー®)が初めてのことでした。この認証マークを製品に表示できること自体が、企業のCSR活動やSDGsへの取り組みを対外的に示す有力な証になります。

出典:WFTO(https://wfto.com/

バナナペーパーの見た目と質感

バナナペーパーを手にとったとき、最初に気づくのはその独特の風合いです。表面はなめらかで、裏面はやや粗めのざらりとした質感があります。

これは、越前和紙の製造技術から生まれる自然な特性です。あえてラフな裏面を表に使うデザイン上の工夫もでき、素材感をより引き立てることができます。

よく見ると、表面にバナナ繊維由来の黒い斑点のような小さな粒模様が散らばっています。これはバナナの茎の短い植物繊維が表面に現れたもので、バナナペーパーならではのナチュラルなしるしです。

受け取った相手が思わず「この紙、何でできているんですか?」と聞きたくなる、非言語のメッセージにもなります。

色合いはオフホワイト〜クリームがかった自然な色調で、一般的な白い紙とは異なる温かみがあります。和紙に近い雰囲気があり、デザインによっては高級感や手づくり感を演出することもできます。

印刷適性に気をつけながら使えば、名刺や封筒といったビジネス印刷物にも十分対応できます。

バナナペーパーの主な用途

バナナペーパーは、ビジネスシーンを中心にさまざまな場面で活用されています。その独特の素材感と環境・社会への貢献が、受け取る相手にも伝わりやすいのが特長です。

主な用途を以下に紹介します。

・名刺:もっとも広く使われている用途です。バナナ繊維の粒模様とざらりとした質感が「この名刺、珍しいですね」という会話のきっかけを自然に作り出します。企業のSDGs・CSRの姿勢を、日々の名刺交換という場で具体的に伝えられます。

・封筒・レターセット:ビジネス文書や贈り物に添える封筒として使われています。素材の温かみが、受け取る相手に特別感を与えます。

・卒業証書・賞状・証書ケース:東京芸術大学の卒業証書への採用実績があります。権威ある書類に使うことで、素材の信頼性と特別感を同時に演出できます。

・ポストカード・ノート・カレンダー:国連ハビタットのカレンダーに採用されるなど、公的機関での使用実績もあります。

・ホテルのハンガー・ノベルティ:SDGs宣言を行っている企業やホテルが、環境配慮の姿勢を形で示すアイテムとして採用しています。

・包装紙・紙袋:製品のパッケージにバナナペーパーを使うことで、ブランドのサステナビリティへの取り組みを視覚的に訴求できます。

日常的に手に触れるアイテムにバナナペーパーを採用することで、言葉では伝わりにくい企業理念を「モノ」を通じて伝えることができます。

バナナペーパーのメリット

バナナペーパーを選ぶことには、環境・社会・経済のあらゆる側面でメリットがあります。単なるエコ素材という枠を超え、企業のブランディングや社会貢献活動に深く結びついている点が特長です。

廃棄物を削減できる

バナナは収穫後、茎が大量に廃棄されます。世界全体で年間約10億トンもの茎が捨てられているといわれており、この廃棄物が川や土地に堆積することで、環境汚染や害虫・害獣の発生原因にもなっています。

バナナペーパーはこの廃棄物に価値を見出し、紙の原料として再資源化しています。廃棄されるはずだった素材を「アップサイクル」することで、ゴミを減らしながら新たな価値を生み出す、まさに循環型経済の実践例といえるでしょう。

出典:One Planet Paper®(https://oneplanetpaper.com/about_bananapaper/

森林や生物多様性を保護できる

通常の紙をつくるには木材が必要です。アフリカでは1990年以降、森林の純消失率が増加しており、2010〜2020年にかけての年間純森林消失率は390万ヘクタールと、世界でもっとも大きい水準にあります。

森林の減少はゾウやキリン、シマウマなどの野生動物の生息地を奪い、生物多様性の喪失にもつながります。バナナペーパーの原料はバナナの茎です。木を伐採する必要がなく、しかも1年で再生するため、持続可能な形で原料を調達できます。

また、バナナペーパーは生産工程において吸収するCO2の量が排出量の1.5倍に達しており、「クライメート・ポジティブ」の認証を取得した素材でもあります。地球温暖化対策という観点からも、評価の高い紙です。

現地の雇用機会を創出できる

バナナペーパーの製造は、ザンビアのエンフウェ村の人々が担っています。プロジェクトが始まる以前、この地域では安定した仕事がなく、生活費を得るために違法な森林伐採や密猟に頼らざるを得ない状況にある人が多くいました。

フェアトレードの原則のもと、農家への適正な買取価格と安定した雇用を提供することで、廃棄物でしかなかったバナナの茎が新たな収入源になりました。

2019年時点ではプロジェクトに参加する農家は45か所以上に増え、シングルマザーや元HIV患者など、社会的に支援が必要な人々も積極的に雇用されています。

収入が安定することで、子どもたちが学校に通えるようになり、マラリア予防のための蚊帳が買えるようになりました。

「紙を1枚使うことが、誰かの人生を変える」バナナペーパーには、そんな力があります。

日本の伝統的な和紙文化の継承にもつながる

バナナペーパーは「Made WITH Japan(日本とともにつくった紙)」を理念に掲げています。ザンビアで取り出したバナナ繊維だけでは、品質の安定した印刷用紙はつくれません。

そこで力を借りたのが、福井県に伝わる日本の伝統技術「越前和紙」です。

越前和紙は1500年以上の歴史をもつ日本の伝統工芸であり、繊維を丁寧に漉いてつくる技術は、バナナという異素材にも応用されています。途上国の廃棄素材と日本の伝統技術が融合することで、どちらの文化にも誇りをもたらす新しい素材が生まれました。

越前和紙の職人が直接ザンビアの工場へ技術指導に赴いたこともあり、現地での手漉きバナナペーパーの製品づくりにも成功しています。

日本の技術が世界の問題解決に貢献しているという事実は、企業のブランドイメージをさらに高める要素にもなり得ます。

SDGs全般に貢献できる

バナナペーパーは、国連が定めるSDGs(持続可能な開発目標)の17目標すべてにつながるとされています。とくに関係の深い目標を整理してみましょう。

・目標1「貧困をなくそう」:ザンビアの農村部に安定した収入と雇用を創出しています。
・目標2「飢餓をゼロに」:工場内での食料無償提供や、収入向上による食料アクセス改善につながっています。
・目標5「ジェンダー平等を実現しよう」:女性の自立支援と教育支援を積極的に行っています。
・目標8「働きがいも経済成長も」:フェアトレードの原則にもとづく雇用を現地に生み出しています。
・目標12「つくる責任 つかう責任」:廃棄物を原料にするアップサイクルが、持続可能な消費と生産を体現しています。
・目標15「陸の豊かさも守ろう」:森林伐採を必要とせず、野生動物の生息地保護にも貢献しています。

企業がSDGsへの取り組みをCSR報告書や対外的なコミュニケーションに記載する際、バナナペーパーを名刺に採用しているという事実は、複数の目標に対する具体的な行動実績として活用できます。

出典:SDGsジャパン(https://www.sdgs-japan.net/aboutsdgs

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バナナペーパーのデメリット・課題

バナナペーパーにはすばらしい価値がある一方で、導入を検討する際に知っておくべきデメリットや課題もあります。

正直に把握したうえで、最適な使い方を選ぶことが大切です。

ほかの種類の紙に比べて高コスト

バナナペーパーの価格は、一般的なコート紙や上質紙と比べて高めです。これはフェアトレードの原則にもとづき、現地の生産者に適正な賃金を支払っているためです。

コストが高い理由が「搾取をしない」という倫理的な姿勢にある以上、これはデメリットというよりも「フェアな価格」という見方もできます。

ただし、予算管理の面では工夫が必要です。たとえば「名刺の表紙だけバナナペーパーにする」「小ロットから試験的に導入する」といった方法で、コストを抑えながら段階的に取り組むことも可能です。

オンデマンド印刷に対応したサービスを利用すれば、必要な枚数だけ発注できるため、無駄なコストをかけずに済みます。

印刷時に問題が起こるケースがある

バナナペーパーは天然繊維を原料とするため、通常の紙とは印刷適性が異なります。インクが裏面に抜けてしまったり、繊維の粒模様がデザインに重なって見えたりするケースがあります。

また、使用できる印刷機が限られる場合もあるため、印刷会社への事前確認が欠かせません。

ただし、バナナペーパーの印刷ノウハウを持つ会社に依頼すれば、こうしたトラブルを最小限に抑えることができます。

デザインの段階から「バナナ繊維の粒を活かすデザイン」として設計する発想の転換も、問題をむしろ魅力に変える有効な手段です。

バナナペーパーの歴史

バナナペーパーの誕生は、2011年にアフリカ・ザンビア共和国の小さな村から始まりました。スウェーデン人の環境コンサルタントであるペオ・エクベリ氏と、日本人の妻・聡子氏が、ザンビアが抱える雇用問題と環境問題を同時に解決する方法を模索した結果、バナナの茎に着目したことがはじまりです。

事業の起点となる活動は、さらに2007年に遡ります。2007年9月、ペオ・エクベリ氏はザンビアにコミュニティ・ラーニング・センターを自費で設立し、現地の人々の自立を支援してきました。 そこで出会ったのが、バナナ農村の深刻な廃棄物問題と貧困の現実だったのです。

ペオ・エクベリ氏は、バナナの茎から紙を作れるとわかり、2011年にバナナペーパー事業(One Planet Paper)をスタートさせました。 2012年には運営が法人化(株式会社ワンプラネット・カフェ)し、翌2013年には日本の印刷会社や製紙メーカーが理念に賛同してOne Planet Paper協議会が発足。2014年にはクラウドファンディングで資金を集め、環境に配慮したグリーン工場を建設しました。

2016年には、日本の製紙産業で初めてWFTO(世界フェアトレード機関)のフェアトレード認証を取得し、2017年以降は越前和紙の職人がザンビアの工場に赴き、直接技術指導を行っています。

2019年には製造の一部が機械化され、生産力が向上しました。同年、輸送方法を航空便から船便に切り替えることで、CO2排出量を平均90%削減することにも成功しています。

現在では、世界20か国以上で流通するブランドへと成長しました。

バナナペーパーの製造工程

バナナペーパーがどのようにつくられるのか、その工程を知ることで、この紙が持つ価値がより深く伝わります。ザンビアでの農作業から、日本の越前和紙工場での製造まで、大きく5つのステップで構成されています。

出典:One Planet Paper®公式サイト(https://oneplanetpaper.com/about_bananapaper/

1:原料を買い付けて工場へ搬入する

ザンビアのエンフウェ村で、オーガニックバナナを栽培する契約農家から収穫後のバナナの茎を買い付けます。

農薬不使用・児童労働なしといった条件をクリアした農家とのみ契約しており、フェアトレードの原則にもとづき適正な価格での買取を徹底しています。買い付けられた茎は、村内のグリーン工場(環境に配慮した製造設備)へ搬入されます。

グリーン工場では、男性と女性が協力して茎を約1メートルの長さに加工する作業からはじまります。

2:繊維を取り出す

専用の器具を用い、加工された茎から余分な水分や皮を取り除き、バナナペーパーの原料となる「オーガニックバナナ繊維」を採取します。

2019年以降は一部の作業が機械化され、生産効率が大幅に向上しました。また、越前和紙の職人を招いて手漉き紙づくりの技術研修も行われており、現地でのバナナペーパー製造技術の習得も進んでいます。

採取した繊維は、グリーン工場の敷地内で天日干しにかけます。ザンビアは日差しが強く空気も乾燥しているため、効率よく乾燥させることができます。

3:製紙工場へ輸出する

天日干しを終えたオーガニックバナナ繊維は計量・梱包のうえ、日本の越前和紙工場へ輸出されます。

輸送方法は2019年に航空便から船便へ切り替えられており、これによりCO2排出量を平均90%削減することに成功しています。

環境への配慮は、製品そのものだけでなく輸送の段階にまでおよんでいます。

4:工場で製紙する

日本・福井県の越前和紙工場に届いたバナナ繊維は、古紙またはFSC®森林認証パルプと混ぜ合わされ、越前和紙の伝統的な抄造技術によって紙に仕上げられます。

バナナ繊維の配合率は5%と20%の2種類があり、それぞれ仕上がりの風合いや取得できる認証マークが異なります。

配合率20%のものはクライメート・ポジティブ認証を取得しており、WFTOの認証マークも表示できます。

5:製品として販売する

仕上がったバナナペーパーは、名刺・封筒・証書・ノベルティなど、さまざまな印刷物の素材として販売・流通します。名刺の場合は印刷会社が用紙を仕入れ、デザインに合わせた印刷を行います。

ワンプラネット・ペーパー®協議会のメンバー企業が互いの技術を高め合いながら、品質の安定したバナナペーパー製品を供給しています。

バナナペーパーのロゴマーク表示も可能!

バナナペーパーを使用した印刷物には、専用のロゴマークを表示することができます。このマークがあることで、受け取った相手に「これはバナナペーパーを使っている」と一目で伝えられ、環境・社会への取り組みをよりわかりやすくアピールできます。

ロゴマークはバナナ繊維の配合率によって使い分けます。配合率5%以上のバナナペーパーには「5のマーク」を、配合率20%以上のバナナペーパーには「バナナマーク」とWFTO認証マーク・クライメート・ポジティブマークを表示することができます。

とくに配合率20%以上の製品には複数の認証マークが揃うため、企業のCSR・SDGs活動の対外的な証として非常に有効です。

名刺などの印刷物にロゴを掲載する際は、デザインファイルへの指定グレーオブジェクトの配置など、使用ルールに沿った入稿準備が必要です。

実際に名刺をつくる際は、バナナペーパーに対応した印刷会社に事前に確認しながら進めるとスムーズです。

出典:One Planet Paper®(https://oneplanetpaper.com/wfto_bananapaper/

まとめ

バナナペーパーは、廃棄されるバナナの茎を原料にした日本初のフェアトレード認証紙です。環境保護・貧困問題の解決・日本の伝統文化の継承という3つの価値を同時に実現できる、SDGs時代にふさわしい素材といえます。

名刺1枚がザンビアの人々の暮らしを支え、森林を守り、企業のブランド価値を高める。

それがバナナペーパーの力です。

バナナペーパーの名刺づくりをご検討なら、プリントバーンがおすすめです。 プリントバーンは、オンラインで名刺をかんたんに発注・管理できるサービスで、1日に約3,000〜5,000箱以上の名刺の印刷・発送をしている出荷実績があります。

もちろん、バナナペーパーをはじめとする環境配慮型用紙にも対応しています。とくに、SDGsへの取り組みを強化するため、プリントバーンは環境保護活動を企業活動の中心に据え、持続可能な製品の提供を進めています。

小ロットからの発注も可能なので「まずは試してみたい」という方にも安心です。SDGsへの取り組みを名刺という日常のツールから一歩ずつ始めてみませんか。

※FSC®はForest Stewardship Council®(森林管理協議会)の登録商標です。

プリントバーンでは、WEB名刺に関する相談を受け付けております。 公式サイトからお見積もりの依頼が可能です。 お困りの際にはぜひお問い合わせください。

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