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名刺文化は海外と日本じゃ違う?各国の特徴やマナーを解説

日本では、ビジネスの場で名刺が重要な役割を果たしますが、海外ではその文化やマナーが大きく異なります。海外を訪問する際は、事前にその国の名刺文化を理解しておくことが重要です。国ごとの違いを知っておけば、ビジネスの場でも自信を持って対応できます。

本記事では、日本と海外での名刺文化の違いやマナー、海外向けの名刺を作るポイントについて解説します。

日本と海外での名刺文化の違い

名刺の扱い方は、国や地域によって異なります。ここでは、日本・アジア・欧米の名刺文化の違いを解説します。

日本の名刺文化

日本では、名刺は単なる連絡先の交換ではなく、ビジネスマナーの一環として重視されています。

初対面の際は、名刺交換が挨拶の一部として行われます。自分の名刺は両手で丁寧に差し出し、相手の名刺も同じように両手で受け取ります。受け取った名刺はすぐにしまわず、相手の名前や役職を確認しながら会話を進めるのが一般的です。

また、日本では名刺の扱い方にも細かな作法があります。名刺を大切に扱うことは、相手への敬意を示し、良好な関係を築く第一歩とされています。こうした習慣には「和」を大切にする日本の価値観が表れています。

さらに、日本の名刺には会社名や部署、役職がはっきりと記載されていることが多く、組織内での立場が重視される文化が反映されています。

中国などのアジア圏の名刺文化

アジア圏と一口にいっても、名刺文化は国によって異なります。

たとえば、中国の場合、国内のビジネスでは名刺交換の機会が減少しており、代わりにINEの中国版とも言える「WeChat(微信)」というツールを使って交換することが一般的です。名刺を使うのは、主に海外のビジネスパーソンとの対面時に限られます。

一方、韓国では日本と同様に、初対面の際に名刺交換が行われます。名刺を渡す際は両手を使うのが基本ですが、2人同時に交換する場合、右手で名刺を渡し、左手で受け取ります。渡す順番は日本と同じで、目下の人や訪問者が先に名刺を差し出すのがマナーです。

また、上司と一緒にいる場合、上司が最初に名刺を渡し、その後自分が渡します。

インドやシンガポールといったアジア各国でも、名刺交換は一般的です。しかし、日本に比べるとマナーが緩めであるなど、名刺への価値観は異なります。

アメリカなどの欧米の名刺文化

アメリカやヨーロッパでも、名刺文化は国によって異なります。アメリカではビジネスパーソンも名刺を持ち歩きますが、日本ほど頻繁には交換されません。名刺のやり取りは、会話の流れや商談の進行によって決まります。

イギリスやフランスでは、名刺を持つのは管理職や重役に限られることが多く、交換の場は商談ではなくビジネスパーティが主な場となります。一方で、イタリアのように名刺交換が広く行われている国もあります。

欧米の共通点として、日本に比べてカジュアルで形式的でないことが挙げられます。また、名刺の裏にメモを書き込むことも珍しくありません。

さらに、近年では名刺交換の代わりに、LinkedInなどでビジネスパーソン同士がつながることが一般的になっています。ただし、どの国でビジネスを行う場合においても、名刺が必要となる場面は多いため、事前に準備しておくことが望ましいでしょう。

日本と海外で違う名刺のマナー

ここからは、国ごとの名刺交換のマナーについて、日本と他国を比較しながら解説します。

名刺交換をするタイミング

日本や韓国、シンガポールなどのアジア圏では、対面してすぐに名刺交換が行われますが、欧米圏には明確なタイミングは存在しません。商談中に「今後連絡が必要」と感じた場合や、別れ際に名刺を渡すのが一般的です。また、名刺交換自体を行わず、LinkedInなどのビジネスSNSで代用することもよくあります。

さらに、欧米では最初に交わす握手や雑談を通じて関係を築くことが重要視されており、最初に名刺を差し出すと「形式的すぎる」「関係を急いでいる」と捉えられることがあるため、注意が必要です。

名刺を出す際の位置

日本での名刺交換では、相手の正面に立ち、胸の高さで両手で名刺を持ち、渡すのが基本的なマナーです。韓国やシンガポールをはじめとするほかのアジア諸国でも、同様の作法が広く定着しています。なお、インドでは左手が不浄とされているため、名刺は右手で受け渡すように心掛けましょう。

一方、欧米圏では名刺を差し出す位置に関する細かい決まりはなく、片手で渡したり、座った状態で受け渡しをしても問題ありません。ただし、相手が名刺を読みやすい向きにして渡すことは、基本的なマナーとされています。

名刺をしまうタイミング

アジア圏では、受け取った名刺をすぐにしまうことは避けるのが慣例です。日本や韓国では、退席するまで名刺を机の上に置いておくことが一般的です。また、インドやシンガポールでは、名刺をしまう前に内容を確認する時間を取ることがマナーとされています。

一方、欧米にはとくに決まった作法はなく、受け取った名刺をすぐにポケットにしまうこともよくあります。欧米では名刺は単なる連絡先が記載されたカードと見なされることが多く、日本のように名刺を相手の顔と同じように扱う感覚とは異なる点に注意が必要です。

名刺の扱い方

名刺に書き込みをすることは、相手の前では失礼とされる価値観が、日本だけでなく韓国にも浸透しています。しかし、欧米ではこの行為がマナー違反とは見なされません。

とはいえ、名刺を折り曲げるなど粗末に扱うことは、どの国でもタブーとされています。相手への敬意を示し、名刺は丁寧に扱うよう心がけましょう。

名刺を見て名前の確認

「名刺を受け取ったものの、名前の漢字が難しくて読めない」といった場合、相手に読み方を尋ねるのは非常に一般的なことです。海外でも同様に、発音やアクセントを尋ねることは自然な流れです。

名前を間違って読み上げることは失礼にあたるため、もし分からない場合は正直に聞くことが大切です。

海外向けの名刺を作るポイント

海外向けの名刺を作成する際は、サイズや表記方法などを現地の形式に合わせることが重要です。ここでは、具体的な作成方法について解説します。

名刺のサイズ

名刺の標準的なサイズは、以下のように国ごとに異なります。

サイズ(mm)
日本 91mm × 55mm
中国、シンガポール 90mm × 54mm
韓国、インド 90mm × 50mm
アメリカ 89mm × 51mm
イギリス、フランス 85mm × 55mm

記載する項目の順番

日本や韓国では「会社名→役職→名前」の順番が一般的ですが、欧米では「名前→役職→会社名」と、順番が異なります。ただし、企業によっては例外もあり、最近ではこの順番にとらわれない自由なデザインの名刺も増えてきています。

住所の記載順についても、日本や韓国では「郵便番号→都道府県→市区町村→番地→建物名」の順番が慣例ですが、欧米では「建物名→番地→市区町村→都道府県→郵便番号」と、逆の順番になります。

日本や韓国では大きな単位から順に、欧米では小さな単位から順に記載することを覚えておきましょう。

名前の表記

英語で名前を記載する際には、パスポートなどの公文書に倣って「姓→名」の順番でも、欧米で主流の「名→姓」の順番でも問題ありません。

ただし、外国の人が発音しやすいように、ローマ字表記にはヘボン式を用いるのが通例です。

会社の表記

「株式会社」の英語表記は、米国式と英国式で表記が異なります。名刺交換が想定される相手に合わせて決定しましょう。

米国式:◯◯ Inc.(Incorporatedの略)、もしくは◯◯ Corp.(Corporationの略)

英国式:◯◯ Co., Ltd.(Company Limitedの略)

電話番号の表記

海外向けの名刺では、電話番号を国際電話に対応させる必要があります。具体的には、「国番号」という各国固有の識別番号を電話番号の先頭に追加します。

日本の国番号は「+81」です。日本国内の電話番号は通常「0」から始まりますが、国際表記ではこの「0」を省きます。

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こちらの記事では、名刺作成時に気をつけたいフォントサイズについて解説しています。定番フォントや見やすい名刺作りのコツも紹介しているので、ぜひあわせてお役立てください。

まとめ

名刺文化は日本と海外で大きく異なります。また、名刺を渡す際のマナーや受け取った後の扱いにも国ごとの違いがあります。

海外向け名刺を作成する際は、各国の名刺サイズや記載方法を考慮することが重要です。日本と海外では情報の記載順や表記方法が異なるため、現地の文化に合わせたデザインにすることが求められます。

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