
東証ロゴマークは、日本取引所グループ(JPX)が提供する、上場企業であることを示す公式なシンボルマークです。このロゴマークは、上場企業が自社の名刺や会社案内、IR資料などに使用することで、企業の信頼性やブランド価値を視覚的に伝えることを目的としています。
ロゴマークの使用にあたっては、JPXが定めるガイドラインに従い、色やサイズ、余白などのルールを守る必要があります。
本記事では、東証ロゴマークを名刺に入れるメリットや使用する際のルール、信頼性を高めるデザイン例について解説します。
東証ロゴマークを名刺に入れるメリット
まずは、東証ロゴマークを名刺に入れるメリットについて解説します。
企業の信頼性向上
東証ロゴマークを名刺に掲載する最大のメリットは、上場企業としての信頼性を視覚的に伝えられることです。上場には厳しい審査基準があり、「東証上場企業である」という事実そのものが、社外に対する信頼の証になります。
商談や初対面の挨拶の場面でも、名刺一枚で「この企業は信頼できる」と相手に安心感を与えることができ、ビジネスの円滑なスタートに貢献します。
ブランド力の強化
東証ロゴマークを名刺に入れるメリットのひとつが、ブランド力の強化です。名刺を通じて東証の上場企業であることを証明できると、企業のステータスを強調でき、競合他社との差別化を図れます。
とくに、安定性を重視する顧客や取引先に対しては、上場企業という信頼感がブランド価値として作用し、安心感を与えられます。
ビジネス機会の拡大
東証ロゴマークを名刺に入れると、ビジネス機会の拡大に期待できます。たとえば、初めて接点を持つ顧客に対して、名刺を通じて企業の信頼性を効果的に訴求できるため、商談成功率の向上が期待できます。
結果として、新規取引やパートナーシップの構築を円滑に進められるでしょう。
また、名刺により上場企業であることをアピールできると、採用活動においても有利です。企業の安定性を重視するビジネスパーソンにとって、上場企業という信頼感は魅力となります。そのため、名刺交換をきっかけに自社へ興味を持ち、転職先として検討される可能性が高まります。
結果的に、優秀な人材や多様なスキルを有する人材が集まりやすくなるでしょう。
東証ロゴの名刺利用は無料・基本的に申請不要
東証ロゴマークの入手は、原則として東証に上場している企業に限定されています。上場企業が東証ロゴマークを名刺に記載する際には、基本的に申請は必要ありません。また、費用は無料です。
ただし、利用にあたっては東証ロゴマークの手引きの内容を遵守する必要があります。
ここでは、ロゴマークの入手方法と申請が必要なケースを解説します。また、デザインのルールは次の章を参考にしてください。
ロゴの入手方法
東証ロゴマークは、東証上場会社ポータルサイト(Target)にログインし、トップページ右下の「各種リンク」にある「上場会社向けサービス案内」からダウンロードが可能です。
出典:Tokyo Stock Exchange(ログイン)|日本取引所グループ(https://portal.arrowfront.jp/target/x/tselcs/webportal/top.html)
子会社の名刺に利用する場合は要申請
子会社がロゴマークを名刺に使う場合は、親会社(上場企業)が事前に申請する必要があります。
申請する際は、まず東証上場会社ポータルサイト(Target)にログインします。そして、トップページ右下「各種リンク」の「上場会社向けサービス案内」ページ内にある「ロゴマーク利用許可申請フォーム」から申請します。
申請フォームでは、申請者の会社名や電話番号、利用目的などの入力が必要です。
デザインのルール
ロゴマークを使う際には、ガイドラインに沿ったデザインが求められます。ここからは、東証ロゴマークを名刺に掲載する際のデザインのルールを詳しく解説します。
ロゴマークの改変や加工は禁止
ダウンロードしたロゴマークの編集や加工は禁止されています。
また、ロゴマークのデザインを模倣することや、ほかのデザインの一部とすることも禁止事項に該当します。ほかには、自社のロゴマークや自社名より大きく表示することや画像・図表上に配置、文中への挿入も禁止です。
名刺に掲載するロゴマークが禁止事項に該当し、日本取引所グループが不適切であると判断した場合、ロゴマークを利用できなくなる場合があります。
色
東証ロゴマークは、日本取引所グループが指定する色、もしくは黒一色で統一しましょう。背景色も同様に、指定色か黒一色です。
たとえば、メインカラーはJPX RED、サブカラーはDEEP REDなどと、細かく指定されています。詳細は、東証ロゴマーク利用の手引きの3ページにある(1)色指定を参照してください。
サイズ
日本取引所グループが定める最小サイズより大きい場合は、名刺に合わせたサイズの変更が可能です。具体的には、四角ロゴ最小サイズは縦の辺が10㎜、丸ロゴ最小サイズは外円の直径が10㎜と指定されています。なお、ロゴマークの縦横比は変更できません。
余白
余白についても細かい規定があります。ロゴマークの周囲に文字や図表を配置する際には、必ず5㎜以上の余白を設ける必要があります。
ロゴマークを配置する周辺の情報と混同しないようにすることが目的です。指定通りの余白を設け、見やすいデザインを心がけましょう。
東証ロゴマークを使った名刺のデザイン例
ここでは、東証ロゴマークを使用した名刺デザインについて、四角ロゴと丸ロゴそれぞれの例を紹介します。
四角ロゴを使った例
四角ロゴを利用する際は、名刺の左下に東証の四角ロゴを配置し、右側に氏名・役職・会社名・連絡先を配置するとスッキリとまとまります。
四角いロゴは、小さく印刷すると文字がつぶれて視認性が低下します。そのため、明確に読めるように、文字サイズや配置を配慮しましょう。
丸ロゴを使った例
丸ロゴを利用する際は、名刺の右下に東証の丸ロゴを配置し、左側に氏名・役職・会社名を配置するとよいでしょう。電話番号やメールアドレスなどの連絡先は左下に配置するデザインがおすすめです。
また、丸い形状を際立たせるため、ロゴマークのまわりには十分な余白をもたせましょう。レイアウトのバランスが良くなり、全体的に読みやすくなります。
子会社の名刺に利用する場合
子会社の名刺に東証マークを利用する場合には、上場企業がどちらなのかを明記する必要があります。たとえば、ロゴマークの下部に「〇〇商事は△△ホールディングス(東証プライム上場)のグループ企業です」などの注記を必ず入れましょう。
スペースが狭い場合は、注記文字の大きさを調整してもかまいません。
東証ロゴマークの名刺利用Q&A
ここでは、東証ロゴマークを名刺に利用する際の疑問点について回答します。
証券コードの記載は必要?
証券コードの記載は任意です。また、記載するにあたって、場所や大きさ、フォントに関する特別なルールはありません。
上場前だが準備のためにロゴマークを入手したい
上場前の準備として、名刺に使用する東証ロゴマークを事前入手できます。ただし、正式な利用許可申請は、上場承認日以降に行う必要があります。また、実際にロゴマークを使用できるのは、上場日以降です。
ロゴを黒一色で使いたいが画像データにない
ロゴマークを黒一色で使いたい場合は、Adobe Illustratorなどの編集ソフトを用いて、画像をグレースケールに変換してから使用してください。
こちらの記事では、Pマーク入りの名刺について解説しています。 取得するメリットや取得費用も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
まとめ
東証ロゴマークを名刺に掲載する際、企業の信頼性向上やブランド力強化につながる大きなメリットがあります。上場企業が使用する場合は原則として利用は無料、煩雑な申請も不要です。
ただし、ロゴマークの改変や加工は禁止であり、色やサイズなどにはルールがあります。ルールを適切に守ることで、自社の魅力を最大限に引き出す名刺デザインを実現できるでしょう。
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