今巷で「サスティナブル」という言葉を聞く機会が増えています。
なんとなく「よいことなんだろう」とぼんやりとしたイメージを持っている方もいるかもしれませんが、具体的にどんな意味があるのでしょうか。今回はサスティナブルの意味や企業が取り組むべき理由・メリットについて解説します。
言葉の意味を正しく理解し、積極的に取り入れていきましょう。
サスティナブルとは自然と人間の共存
「サスティナブル」という言葉を耳にしたことはあるでしょう。
語源となったSustainableには「持続可能な」という意味がありますが、近年よく言われているサスティナブルは、自然環境と人間社会の機能を維持したままうまく共存させ、発展し続ける状態を作るという意味を持っています。
このサスティナブルな社会を築くために、国連が17の目標を設定したのがSDGsです。大きく分けると環境保護・社会問題の解決・経済問題の解決が盛り込まれています。
どうして急にサスティナブルという考え方が浸透したかというと、そこには自然破壊により近年異常気象や災害が増えて、世界中の多くの地域で深刻な問題が起きているからです。人間社会を優先させて大規模な土地開発や環境を考慮しない経営を行ってきた結果が、それに直結しているとも考えられます。
日本でも過去に四日市ぜんそく・水俣病などの公害がありましたが、これらも人間社会を優先させた結果です。自然環境を守りながら経済を発展させていくことが、将来も豊かな生活ができるサスティナブルな社会を築けると考えられています。
企業がサスティナブルに取り組むべき理由
世界中の企業がサスティナブルに取り組んでいますが、日本の企業はまだまだ遅れをとっています。企業がサスティナブルに取り組むべき理由はもちろん、サスティナブルな社会を実現させるためです。
ただ、取り組むことによって大きなメリットが得られるのも、取り組むべき理由と言えるでしょう。どんなメリットがあるのかを解説します。
メリット1. 企業イメージがアップする
今はさまざまな企業や団体がサスティナブルやSDGsの重要性を解いており、個人はもちろん、企業も社会の一員として対策をすることが求められている時代です。日本では一部企業が活発にサスティナブルに取り組んでいるのみで、言葉は浸透していても取り組み自体は浸透しているとは言えません。
ただ、個人でサスティナブルを考えている人は増えていますし、サスティナブルを意識していなくても環境に配慮している人はとても多いです。そのため、企業がサスティナブルを意識することで、「この企業はきちんと環境や社会を考えているんだ」というイメージを持ってもらえます。
それによって企業イメージはアップしますし、商品やサービスへのイメージも良くなっていくでしょう。
メリット2. ステークホルダーと良好な関係が築ける
企業にとって株主・経営者・従業員・クライアント・取引先といったステークホルダーは非常に重要です。世界全体が環境問題や社会問題に直面している今、企業もそれに取り組む姿勢が求められています。
サスティナブルに取り組むことは消費者にとってのイメージアップになるだけでなく、ステークホルダーにとってもよいイメージにつながり、それによって良好な関係が築けるようになるでしょう。
サスティナブルに取り組んでいないことで、「社会に無関心な企業」と捉えられてしまい、今後の関係が悪化してしまう可能性は十分にあります。とくにサスティナブルに積極的に取り組んでいる企業や国にある企業との関係を良好にするためにも、サスティナブルへの取り組みは重要です。
メリット3. 優秀な人材が確保しやすくなる
サスティナブルに取り組むことは企業のイメージアップにつながりますが、その結果企業のブランディングにもなります。サスティナブルに取り組んでいる価値のある企業・意識の高い企業・先進的な思考を持っている企業というブランディングになるのです。
優秀な人材は個人でもサスティナブルに高い意識を持っていることが多く、企業の理念に共感した優秀な人材を確保しやすくなるでしょう。
メリット4. ビジネスチャンス拡大の可能性がある
個人や一企業がサスティナブルに取り組むことも大切ですが、それぞれだけでは目標をクリアすることが難しい場合も多いです。そこでサスティナブルな社会を実現するために、個人と企業もしくは企業と企業が協力していくことが重要になります。
そのため、今までになかったビジネスチャンスが転がり込んでくる可能性も十分にあるのです。地球や社会のことを考えることが企業の成長にもつながります。
できることからサスティナブルの取り組みを始めよう
サスティナブルは将来の地球を住みよい場所として維持し続けるために非常に重要です。企業にとってはたくさんのメリットがあるので、まずはサスティナブルの正しい理解から始めてみてください。
いきなりSDGsの全ての目標をクリアできるような取り組みは難しいかもしれません。そのため、できるところから始めて、住みよい環境・社会に貢献していきましょう。