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企業がDX認定を受けるメリットは6つ!制度の概要も解説

企業のイメージアップのためにDX認定を検討する際、具体的にどんなことをすれば良いのか、そもそもどんな制度なのかを詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。イメージアップ以外にも、認定を受けるべきメリットがあるのかも気になるところです。

DX認定を受ける企業のメリットはイメージアップ以外にも多く、経済損失を防ぐためにも有効な取り組みとなります。ぜひ、積極的に認定を目指し、将来性を期待できる企業を目指しましょう。

そこでこの記事では、DXの概要から認定制度の詳細を紹介します。DX認定を受ける6つのメリットや、認定を受けるための目指すレベルについても解説しているため、参考にしてください。

DX認定とはどのような制度?

DX認定とは、DX推進準備が整っている事業者を国が認定する制度です。デジタル技術を駆使して、既存のビジネスの効率化を図り、組織改革やビジネスモデルそのものの変革を進める取り組みです。

DX認定を受けると名刺やWEBサイトにDX認定ロゴを入れられるため、DXに取り組んでいることをアピールできます。以下では、そもそもDXとは何かという基本から、制度のできた背景や定義について解説します。

そもそもDXとは

DXとはデジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略で、直訳すると「デジタル改革」です。

デジタル技術を活用して、企業の業務効率化や組織改革を進め、ビジネスモデルの革新を図る取り組みを指します。AIやIoT、クラウドなどの技術を駆使することで、生産性向上や新たな価値創造が可能になります。DXによって、企業の価値観などを根底から覆すことが可能です。

DX認定の概要

DX認定はDXへ取り組む優良な企業を経済産業省が認定する制度です。認定を受けるための審査では以下の基本的事項に対応していることが条件となり、審査期間は60日です。

DX認定の項目 認定基準(デジタルガバナンス・コード)
(1)企業経営の方向性及び情報処理技術の活用の方向性の決定 デジタル技術によって社会や競争の環境が変わっていることをふまえ、今後の経営の考え方やビジネスの進め方についての方向性を、社外に向けて発表していること
(2)企業経営及び情報処理技術の活用の具体的な方策(戦略)の決定 デジタル技術による社会及び競争環境の変化の影響を踏まえて設計したビジネスモデルを実現するための方策として、デジタル技術を活用する戦略を公表していること
(2)①戦略を効果的に進めるための体制の提示 デジタル技術によって社会や競争の環境が変わっていることをふまえ、その変化に対応するビジネスモデルを実現するために、どのようにデジタル技術を活用していくかという戦略を社外に向けて発表していること
(2)②最新の情報処置技術を活用するための環境整備の具体的方策の提示 デジタル技術を活用するための戦略のなかで、とくにITシステムやデジタル技術を使いやすくする環境を整えるために、どのような取り組みを進めていくのかを示していること
(3)戦略の達成状況に係る指標の決定 デジタル技術を活用する戦略が、どれだけ進んでいるかを判断するための具体的な指標(ものさし)を社外に向けて発表していること
(4)実務執行総括責任者による効果的な戦略の推進等を図るために必要な情報発信 経営ビジョンやデジタル技術を活用するための戦略について、経営者自身が外部に向けて積極的にメッセージを発信していること
(5)実務執行総括責任者が主導的な役割を果たすことによる、事業者が利用する情報処理システムにおける課題の把握 経営者のリーダーシップのもとで、デジタル技術の動きや、自社のITシステムの現状をしっかりふまえて、どんな課題があるかを把握していること
(6)サイバーセキュリティに関する対策の的確な策定及び実施 戦略を実行するうえで欠かせない前提として、サイバー攻撃などに備えるセキュリティ対策を進めていること

出典:経済産業省 商務情報政策局 情報技術利用推進課「DX認定制度概要〜認定基準改訂及び申請のポイント〜」(https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dx-nintei/dxnintei-point.pdf

DX認定の背景

DX認定ができた背景には、2018年に経済産業省が発表した『DXレポート〜ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開〜』にあります。

このレポートでは、企業が既存の古い基幹システムを利用し続けることによって競争力を失い、2025年以降に年間最大約12兆円の経済損失が生じると指摘されています。

また、日本社会は少子高齢化や生産年齢人口の減少、さらに国際競争力の低下といった課題に直面しています。これらの問題を解決するために、政府はDXの重要性を認識し、企業がデジタル化を加速するための支援を強化しています。

この認定をとおして、企業の競争力向上と持続可能な成長が促進されることが期待されています。

※出典:経済産業省「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」(https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/20180907_report.html

DX認定の定義

DX認定の定義は、システムの一部的なDX化にとどまらないことです。経済産業省では、DXは以下のように定義されています。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること

引用元:経済産業省「デジタルガバナンス・コード2.0」

すなわち、企業が変化の激しい世の中に対応するために、データやデジタル技術を使って、顧客や社会のニーズに合わせて製品やサービス、ビジネスの仕組みを見直すこと。あわせて、業務の進め方や組織のあり方、会社の文化まで変えていくことで、他企業よりも優位な立場を築こうとすることまでを含めた考え方がDXです。

企業がDX認定を受けるメリット

DX認定は日本が抱える課題の解決を目的としていますが、企業にとっても認定を受けるさまざまなメリットがあります。主なメリットは以下のとおりです。

  • ・DX推進の促進
  • ・顧客に対する企業イメージ向上
  • ・DX認定制度ロゴマークの使用
  • ・人材確保に向けた企業イメージ向上
  • ・経営計画の推進
  • ・DX投資促進税制の活用

それぞれ詳しく解説します。

DX戦略の促進

DX戦略を推進することで、業務効率化が進み、コスト削減や生産性向上の実現が期待できます。自動化やデータ活用により、従業員の負担を軽減し、より付加価値の高い業務に集中できるようになります。

社員のスキル向上やモチベーションアップにもつながり、組織全体の活性化を促します。これらをとおして、競争力を強化し、持続可能な成長が可能です。

また、DX認定の概要で紹介したとおり、DX認定を受けるには各項目をクリアする必要があります。項目をクリアするための行動は認定を取得するためのものですが、その過程で企業の課題を把握できるため、結果的にDX戦略の推進につながります。

企業のイメージアップ

DX認定は、企業がデジタル技術を積極的に導入し、業務改善を進めていることの証明となります。この認定を受けた企業は、顧客や取引先に対して信頼感を与えられ、ブランド価値の向上につながります。

取引先を探している企業にとっては、経済産業省からDXに積極的と認められている企業の方が、信頼感を与えられます。また、求職者にとってもメリットに感じられます。認定を受けているということは、働き方改革にも積極的な企業と判断されるため、人材確保しやすくなる面もあります。

そして、ブランド価値の向上は一般消費者にとっても好印象を与えられるため、問い合わせや売上の増加などのメリットも生まれます。

税制優遇

DX認定を取得すると、DX投資促進税制の優遇を受けられる可能性があります。DX投資促進税制とは、DXに取り組むための投資を対象に、税額控除が受けられたり特別償却が適用されたりする制度のことです。

DX投資促進税制の適用が想定される取り組みや投資内容は、以下のとおりです。

  1. 1.DXが会社の経営戦略のメインであり、事業全体の課題解決のために推進していること。
  2. 2.1の戦略をもとに行うDXの個別プロジェクトであり、以下の項目全てに該当すること。
    a.新商品の開発・生産または新サービスの開発・提供/海外市場の獲得を行うこと。
    b.クラウドシステムの活用したものであること。
    c.既存の社内データおよび、社内・個人・新たに取得するデータの全部または一部の連携および活用を行うこと。
  3. 3.2を進めるために必要な資産であること。

※出典:経済産業省|「産業競争力強化法における事業適応計画について」(https://www.meti.go.jp/policy/economy/kyosoryoku_kyoka/zentaigaiyoshiryo_2023.pdf

特別償却を受けられると、減価償却費とは別に経費を計上できます。よりDXに積極的になれるようにするための施策で、2025年3月31日まで適用可能です。

税制優遇を受けられる対象者は、青色申告書を提出する法人もしくは、認定事業適用事業者である法人です。また、対象となる支出はDXのために取得したソフトウェアや繰延資産、有形固定資産で、控除額は税額控除で3%もしくは5%、特別償却で30%です。

ただし、それぞれ控除の限度額がある点に注意が必要です。また、認定要件もあるため、事前に確認することをおすすめします。

※出典:国税庁「デジタルトランスフォーメーション投資促進税制(情報技術事業適応設備を取得した場合等の特別償却又は税額控除)」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5924.htm

DX認定のロゴマークの使用

自社サイトや名刺にDX認定ロゴを利用すれば、DX推進に積極的に取り組んでいる企業であることや、今後も将来性が期待できる企業であることが、DX推進ポータルを確認しなくても一目でわかります。

DX認定を受けた企業として、政府や関連機関からの支援を受けやすくなり、社会的責任や最新の技術導入への取り組みを示せます。

ただし、ロゴマークを使用する際は、使用規約を遵守しなければなりません。認定を受けた企業であっても、ロゴマークの使用にはガイドラインがあり、指定された場所や条件でのみ使用する必要があります。

また、ロゴを不適切に改変したり、誤解を招くような文脈で使用したりしないよう注意が必要です。適切な使用を守ることで、信頼性を損なうことなく、正しくブランド価値を伝えられます。

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