仕事をしている人なら日常的に名刺交換の機会があると思いますが、名刺のサイズはほぼどれも同じです。
ここでは、名刺の大きさや寸法についての豆知識を紹介していきます。
一般的な名刺の寸法は91mm×55mm
一般的な名刺のサイズである91mm×55mmという寸法(規格)は、関東方面では「東京4号」、関西方面では「大阪9号」と呼ばれています。地域によって呼び名が変わるのでややこしいのですが、「東京4号」「大阪9号」も同じ91mm×55mmです。
名刺業者を変更したり、自身が転勤したりしたときには、サイズの勘違いがないように気をつける必要があります。注文するときに「4号」「9号」という呼び名に慣れてしまっている人は、地域によって異なることを覚えておきましょう。号数で注文するよりも、「一般的な名刺のサイズで」と頼んだほうが伝わりやすいかもしれません。
名刺サイズが91mm×55mmになった理由は横3寸の黄金比だから
名刺のサイズが一般的に91mm×55mmとなったのはなぜでしょうか。
詳しくひも解いていきます。
名刺サイズの縦横比は黄金比に非常に近い
一説によると、このサイズが黄金比に近いからだと言われています。黄金比とは、ものが美しく見える比率のことで、縦横の比率が1.618だとされています。たとえばピラミッドやパルテノン神殿などは、この黄金比が当てはまります。
では名刺の縦横比はどれくらいかというと、1.654となります。黄金比にピッタリとは言えませんが、非常に近い数字となっています。
91mmはほぼ3寸の長さ
メートル法が入ってくる前の日本では、長さを測るときに尺や寸という単位が使われていました。1尺は約30.3cm、1寸は約3.03cmです。先ほど名刺の寸法は91mm×55mmというお話をしましたが、1寸は3.03cm=30.3mmですから、91mmはほぼ3寸ということがわかります。
今の感覚では「91mmにするよりも、キリのいい90mmにすればいいのに」と思ってしまいがちですが、ちょうど3寸だと考えれば納得できますね。
持ち運びしやすい3寸の長さに合わせた黄金比で構成してみると、91mm×55mmという寸法になるというわけです。
名刺のサイズや種類はさまざま
一般的な名刺のサイズは91mm×55mmですが、もちろんそれ以外のサイズのものもたくさんあります。また、変わった形のものなど個性的な名刺をもつ人もいます。いくつか紹介していきましょう。
サイズが違う名刺
一般的な名刺以外でよく見かけるのが、ひと回り小さい85mm×49mmサイズの名刺です。3号と呼ばれています。とくに女性が持つケースが多く、角が丸く加工されているものもあります。
日本以外にも目を向けてみると、欧米では89mm×51mmというサイズが一般的です。日本の名刺よりも小さめで、横に細長い印象です。欧米サイズ、英文サイズなどと呼ばれています。
これらの他にも、5号(100mm×61mm)、6号(116mm×70mm)、7号(121mm×76mm)といった名刺のサイズがありますが、あまり利用されることはないようです。
二つ折りの名刺
二つ折りの名刺も見かけることがあります。会社の業務内容が詳しく書かれていたり、拠点名が並んでいたりと情報が盛りだくさんで、二つ折りの特性を生かした名刺と言えます。
折った状態のサイズは一般的な名刺(東京4号)と一緒ですが、横型と縦型の2種類に分かれます。
4号横型の場合は182mm×55mm(2つに折ると91mm×55mm)、4号縦型の場合は91mm×110mm(2つに折ると91mm×55mm)となり、縦型にするか横型にするかによって元の紙のサイズが変わってきますので、注文するときには気をつけましょう。
名刺のサイズはさまざま
ここまで紹介してきたように、91mm×55mmというのが一般的な名刺の寸法となっています。名刺入れの中にきれいに整理できるのは、ほとんどの名刺がこの規格に沿って作られているからです。
ただし、東京4号だけでなく、3号や5・6・7号、欧米サイズや二つ折りなど、さまざまなサイズや形状の名刺が存在します。変わった名刺を作成して個性を演出したいとお考えの方は、ぜひチェックしてみてくださいね。