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点字名刺とは?メリットや加工のポイントを解説

点字名刺とは、視覚障がい者の方が文字を読み取るための、点字加工を施した名刺のことです。目の不自由な方との名刺交換に役立つだけにとどまらず、さまざまな人とのコミュニケーションをうながし、使用する人のイメージアップに役立つ効果もあるため、普段のビジネスシーンでも活躍します。

本記事では点字名刺の基礎知識や点字名刺を使うメリット、加工のポイントを解説します。点字名刺を仕事に役立てたい方は参考にしてみてください。

そもそも点字とは?

点字とは、視覚に障がいのある方が指先で触って読む文字のことで、6つの点の組み合わせでひとつの文字を表します。表せる文字はひらがなのみで、漢字は表現できません。目の不自由な方は、指の腹で点の組み合わせに触れて文字を読み取り、日常生活に役立てています。バリアフリー社会の実現において、欠かせないものと言えるでしょう。

また点字は公共施設のエレベーターボタンや駅の券売機、アルコール飲料の缶やテレビのリモコンなど、多くの場所で使用されています。ユニバーサルデザインの普及も追い風となって、今後もさまざまな場所や商品に掲載されることが期待されます。点字名刺も、そういったアイテムの中のひとつです。
出典:厚生労働省「障害者雇用対策」(2022-09-13)

点字名刺を持つメリット

点字名刺は、目の不自由な方とのコミュニケーションに役立つだけではありません。日常の行動に支障がない人とのビジネスにも役立ちます。

ここでは視覚障がいのある方と、そうでない方、それぞれにどのようなメリットがあるかを紹介します。

コミュニケーションツールになる

目の不自由な方に通常の名刺を渡しても、読んでもらえません。そもそも名刺を渡して良いものかと戸惑う人もいるでしょう。しかし、点字名刺なら気兼ねなく渡せます。点字名刺はまだ、それほど一般的ではないため「こういう名刺もあるのですね!」と笑顔になってもらえるかもしれません。

また近年では、国が企業に対して一定率(民間企業2.3%・国や地方公共団体2.6%)の障がい者雇用を義務付けていることから、障がいのある方を積極的に採用する企業が増加しています。そのためこれからは障がいのある方とビジネスで関わる機会も増えるはずです。目の不自由な方と仕事をするにあたって、点字名刺があれば氏名や会社名、住所、連絡先といった情報を指先で確認できるため、コミュニケーションがスムーズに行えるようになります。
出典:厚生労働省「障害者雇用対策」(2022-09-13)

相手との会話につながる

普通の名刺を渡しても、よほど変わった名刺でなければ興味を持たれません。一方、凹凸のある点字名刺なら、名刺を渡す相手が目の見える方であっても、興味を引くことができます。「これは点字ですか?」「どうやって作るのですか?」などと興味をもってもらえば、会話のきっかけにもなるでしょう。話が弾んで場の空気も和むため、その後の打ち合わせや商談もスムーズに進めやすくなります。また強い印象が残ることで、相手の記憶にも刻まれるはずです。

その他点字名刺には凸凹があり、厚みのある名刺に仕上がるため、後で相手が名刺を探すときにも見つけやすくなるというメリットもあります。

イメージアップになる

点字名刺なら、広告費に大きなコストをかけなくても、個人や企業の価値を向上できます。

名刺を渡すタイミングは、多くの場合、初めてその人と対面するときです。点字が刻印された名刺を渡せば、第一印象にも影響するでしょう。個人レベルでは「障がいのある方にも配慮できる人」「社会福祉に関心がある人」であると受け取ってもらえ、あなたの誠実さや優しい人柄が伝わるはずです。名刺交換の際、第一印象で取引先に好印象を持ってもらえれば、その後も良好な関係を築きやすくなります。

企業としては、社員に点字名刺を持たせることで、個人だけでなく企業自体のイメージアップにも貢献します。「ダイバーシティ(多様性)を尊重する企業」「社会福祉に関心のある企業」と思ってもらえるでしょう。

CSR(企業の社会責任・社会貢献)活動の一環としてもアピールできます。福祉関連の事業を展開している企業なら、点字名刺を渡すだけで自社の業務内容への理解も促せるでしょう。

点字名刺を作る際の注意点

点字名刺を作る際には、通常の名刺と異なるルールも存在します。基本的なルールを理解しておけば、名刺を発注する際にも戸惑いません。ここでは点字名刺を作るに当たっての注意点を紹介しましょう。

文字数が収まるかレイアウトを確認する

限られたスペースにひらがなだけで情報を入力する点字名刺では、使える文字数(打刻数)に限りがあります。あまり多くの情報を伝えられないため「会社名」「部署名」「氏名」「連絡先」など必要最小限の情報を、それぞれ1行にまとめて記載するとよいでしょう。

文字数がオーバーする場合には「株式会社」や「連絡先・Tel」などの情報を省略する場合があります。また二次元バーコードに点字が重なってしまうと、バーコードが読み取りにくくなる可能性があるため注意が必要です。

文字数のカウントでは「濁点」「半濁点」も1文字として扱います。濁点や半濁点を含む、長い表記ではスペースを空けるようにすると読み取りやすくなるでしょう。

例)「だいひょう□とりしまりやく」

ノッチ・角丸カット加工をする

名刺を受け取る視覚障がい者の方に、名刺の上下を知らせるには、名刺の下部左側に切込み(ノッチ)を入れる加工をすると効果的です。右上の角を丸くカットする「角丸加工」をしてもよいでしょう。

視覚障がいのない方に角丸加工などをした名刺を渡すと、「どうして右上だけが丸いのですか?」といった質問されることもあるかもしれません。「視覚障がいのある方のため」などと理由を話すきっかけにもつながります。

点字名刺の作り方

点字名刺を作るには、2つの方法があります。印刷~点字加工までできる印刷会社を選ぶ方法と、点字の打ち込みだけを依頼する方法です。それぞれの方法を見ていきましょう。

印刷~点字加工までできる印刷会社を選ぶ

まずは名刺の印刷と合わせて、点字加工までを依頼する方法を解説します。この場合、通常の名刺を発注した後に、名刺に入力するさまざまなデータの中から、点字にする部分だけを選んで点字加工を施します。一般的なのは「会社名」「氏名」「電話番号」の3つを点字加工する方法です。他に点字化したい項目があれば、印刷会社に相談してみてください。

点字加工をする場合は一般的な名刺に比べると完成までに時間がかかることがあります。納期についても確認しておきましょう。

点字の打ち込みだけを依頼する

もう一つの方法は、すでに印刷してある既存の名刺に、点字加工を施す方法です。この場合は名刺を印刷会社に発送して、点字化したい部分を指定します。すでに使っている名刺に点字加工を施すだけのため、デザインを大きく変更する必要はありません。

なお点字名刺では多くの場合、印刷加工するときに紙に凸凹をつける方法が採用されています。そのため名刺に使用している用紙の種類によっては、点字加工ができないケースも。こちらも事前に印刷会社へ確認しておきましょう。

まとめ

名刺交換の際に点字名刺を差し出せば、目の不自由な方とコミュニケーションできるだけでなく、個人や企業のイメージアップにもつながります。優しさを伝えられる上、初対面の方との会話のきっかけにもなるため、ぜひ導入を検討してみてください。

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